これから行く中米でも問題になっているサビ病 / by Milton Coffee Roastery

サビ病自体は、コーヒーだけに関わらず、稲やネギなんかにも感染する飛散型の病原菌ですが、このサビ病が中南米では現在問題になっています。 上の写真は昨年コロンビアで撮影してきたものですが、黄色くなったサビ病の菌糸が葉っぱに点々と広がっているのが見てとれると思います。 ちなみに、白い菌は黄色のサビ病菌を侵食する菌類らしく、ここでも連鎖が行われています。

このサビ病が、中米各国から非常事態宣言を出させる程の深刻問題になってきていて、現地では早急に対処する必要が出て来ています。 今月訪問する、ニカラグアとエルサルバドルの生産者に連絡を取り続けていますが、ミルトンが買付けしている農家の方々は既に対処をしているようで、被害もそこまで酷くないとのこと。 ただし、戦々恐々としているのは確かで、日々注視しているとは、みんなが伝えてきています。 被害が拡大していることは間違いありません。

このサビ病がそもそも何で問題かというと・・・  実際に撮影してきた写真でご説明しましょう。
上の写真のように、菌が葉に付着し、徐々に木全体に広がります。菌の影響で葉っぱの光合成がしにくくなり、弱まり、最終的には落葉します。

葉っぱから実をつけるのに必要なエネルギーと栄養を葉で作れないようになれば、根から補おうとします。 一見、何も問題ないように完熟しているコーヒーチェリーも、中身がスカスカの空っぽだったりします。 十分な養分が実に行きわたっていない証拠です。

これは今年、コロンビアで撮影してきたものですが、最終的には無残な姿になってしまい、もうこうなったら植え替えをするしかありません。 放っておけば、また葉っぱが出てはきますが、根も弱まってて、木そのものがひん死の状態なので、新しい苗に植え替える必要がでてきます。

実は、サビ病が厄介なのは、一旦広がってしまった場合、防ぎようがないんです。 いち早くサビ病にかかっている葉を取り除く作業をするか、葉っぱや根っこから、病気にならない薬をまかなくてはいけません。

また、ダメージを受けた分を植え替えるにしても、コーヒーの収穫ができるようになるまでには、4年はかかります。 農家から見て、最大の問題はこの収穫できない状態が数年続く=無収入ということです。 特に専業コーヒー農家にしてみれば、死活問題! 生活できません。

そこで登場するのが、国や企業が提案する「借入・ローン」です。 こうした国では、金利も高く、コロンビアのケースでは年金利12%のローンもざら、それ以上のものもあります。 借りないと生活できない農家にしてみれば、踏んだり蹴ったり。

そんな支払地獄に陥らない為にも、病気が蔓延する前に、このような溶剤を撒いて対応しなければなりませんが、当然のことながら費用がかさみます。 裏庭程度の広さならまだしも、山ひとつ分の薬が必要となれば、どれだけのコストがかかるかは、容易に想像できますよね。 実際、ミルトンが買付けしている農家から、この薬によるコスト高の話も出て来ています。
薬の費用だけではありません。 それを散布する人件費も余分に必要になってきます。 細々と営んでいる農家は、すでにこの時点で借入を起こしている可能性があります。 それでも、全滅するよりはましです。

今回、何でこうしてブログに書いているかというと、素晴らしい風味を持つスペシャルティコーヒー、安全で美味しいコーヒーを作ってくださる農家の方々が、必要としているコストと利益を含めた額を、買付けする私達がしっかり認識し、支払う必要があると思うからです。 美味しいコーヒーを買いたいけど、安く仕入れたいなんて思っていたら、私からしたら都合が良すぎと感じてしまいます。

ミルトンは、商社も問屋も通さずに、直接現地に仕入れしに行き、毎年各農家と接触しながら、農園の状況と出来具合を確認、味のチェックも大抵現地で行い、選りすぐりのコーヒーだけをコンテナ船で輸入しています。 それも全て現地から真空パックで輸入しています。 当然のことながら、農家の方々が満足していただける金額をお支払しています。

それをどう販売していくのか、どうプロモーションしていくのかは、ミルトン側の仕事だと思っています。 農家さんには、農業という大変な仕事に向き合ってもらい、私達に提供していただくまでを、ただただ専念してもらいたいと願っています。

サビ病が大変なことになっている!というニュースは業界内では広まっていますが、実を付けなかった木、伐採しないといけなかった木のことを考えると、何年かの間は影響が出続けるでしょう。 そうした間の農家のコストも私達が考えられるようになっていなければ、本当の意味で「美味しいコーヒー」を仕入れることとは。。。を理解していないのかなと思っています。

為替レート、市場価格、産地側の減産などなど、ミルトンが行う直接買付けの難しさは、十分体感しています。 しかし、それをも超える楽しさと満足感、達成感、農家との人のつながりと継続性、それらが私達のモチベーションアップにつながっています。

ミルトンのお客様が私達のコーヒーを飲まれて、美味しいと感じていただいてるのでしたら、是非とも引き続きお付合いして頂ければ幸いです。 お友達、お知り合いにご紹介していただければ、尚嬉しい限りです。

まだミルトン未体験のお客様も、こうした背景が私達のコーヒーにはあるのだと感じていただければ何よりです。 そして美味しいコーヒーにご興味がございましたら、一度飲んでみてください。 うんちく抜きに、美味しいと感じていただけるでしょう。

無名の農家のコーヒーでもいいじゃないですか。 彼らはひたむきに一生懸命、私達を満足させようと努力してくれているのですから。