床を眺めながら思いにふける・・・でもまだボケてませんよ / by Milton Coffee Roastery

さぁ、もう年末ですよ、みなさん。 早いですね・・・一年が。 自宅も店も先月からコマメに掃除をしてきたので、12月中は大掃除をしなくてもすみそうです。 お店の床も例外なく綺麗に掃除しています。 左の床は開業したときに床材として敷いた杉板で、右の赤味がかった床材はハードウッドのウリンだったような・・・

もう10年近くも土足で踏みまくっているので、杉板の木目が綺麗に浮き出てきています。 固い年輪の部分に光沢が生まれ、早く成長した柔らかい年輪部分は削れて、溝になっています。 個人的にこの雰囲気がとても気にいっていて、ウリンのような高価な木材を使えるような資金もなかったから採用した足場板用の杉板ですが、月日が経てば経つほど、いい味に仕上がってくれます。

右の床材はよりエレガントな店内のイメージに合わせて採用したハードウッドですが、さすが年輪が細かいですね。水もそうそう染み込みません。 こちらはまだ4,5年といったところなので、まだまだ味が出てきていませんね。

変に思うかもしれませんが、焙煎中だったり、掃除中に床をボーーーーーーーーーっと眺めていることが割とあります。大抵無意識にしてしまっているのですが、お店で見かけたら完全にマイワールドに入っているなと思ってください。 うちのスタッフにもたまに言われたりするのですが、頭の中では真剣に様々なことを考えていたりするわけです。

床を見ているときは年輪をみているわけですが、年輪を会社に例えることを大抵しています。 まぁマイワールドの話なので、何言ってんだ?ぐらいで読んでくださいね。

たまに経営者や銀行員に固い経営をしていますねと言われることがあります。 確かに石橋を叩きながら進んできたかもしれませんが、何せこの時代の速さですから呑気に時間をかけて叩いてもいられません。 叩くスピードを速めたり、遅くしたりと調整しています。 実はその進むスピードの加減を相当気にしてたりしています。

コーヒーを産地で選ぶ時もバランスをとても重要視しています。 社員一人一人が生き生きと働けるような環境作りをする時も社員全員が感じてもらえるようなバランスを考えた店舗や同線を考え、過去の多くの失敗から学んだ接客サービスにおけるバランスも考えています。 詳しくそれぞれを書くと長くなるので省きますが、とにかくバランス重視なんです。

そうした経営のスピード感や自分の計画のどの位置に今いるのかを客観的に見つめたいときに、床材の木目を眺めながら、木目と重ね合わせている気がします。 変でしょ。 変ですよね。 でも、はっと気づくと、やってるんです。 しかもほぼ毎日。

木目、年輪が私の中ではいろんな物に例えられるので、自分としては物を考えるうえでの、下敷きのようなものになっているようです。 私は経営は小さな失敗はやってしまってもいいと思っていますが、再生不可能なミスは絶対に犯してはならないと考えています。 はやる気持ちを抑えながら、冷静に次のステップ、その先のステップと駒を進め、思い描いている目標に近づけていく地道な作業を繰り返していっています。 今は動くときなのか、いや地固めの時なのか、過去にない規模でうってでるべきなのか、否か。 そんなこんなを年輪を見ながら毎日自問自答しているわけです。

無理して進めば、早く成長した年輪のように柔らかく、すぐに削れてしまう可能性もあります。 進むべき時でなければ、しっかりと社員教育をし、ファンを増やし、技術を磨き、生産者達とも信頼を築くことに専念する。 そうすれば、杉板の固い部分のように、少々のことでは削れないばかりか、光り輝く光沢がうまれる。

ま・・・そんな妄想を繰り返しているわけです。 こうした自分を客観視する癖をつけれたのは、幼少のころに通っていた絵画教室の影響がわりと大きいような気がしています。 水彩から油絵、石膏デッサンまでしていましたが、絵を描く時は誰しも、よく観察し、細かく描いたり、大胆に描いたり、近づいて描いたり、遠ざかってバランスを確認したりします。 

今の私の経営の仕方が正しいかどうかは後々皆さんに判断していただくとして、物を観察し、バランスを見るためにわざと遠ざかる動作は、絵を描くことにも良く似ているなと感じています。 なんだか人生無駄なことが一切ないものだとつくづく感じています。

右の写真の木のように、時間をじっくりかけて努力すれば誰にも負けない強固な体制を築けるかもしれません。 逆に早い成長は、人、物、金のどこかに必ず歪みがうまれます。 バランスを崩すと、私の避けたい大失敗の可能性が出てきます。 でも冒険も必要です。 ただそれには裏付けられた根拠が必要です。 その根拠は何なのか。 などなど妄想は止まりません。

コーヒー屋をしながらこうしたことを考えられることは有難いことですし、楽しいませてもらっています。 社員たちにも、もちろんお客様にも、ミルトンと関われる方皆さんに、この楽しんでいる雰囲気や気持ちが共有できたら素敵だなと思っています。 お店に来るのが楽しみというお声を聞くたびに、何か目に見えない幸せが広がっているような気になります。

あっ、最後にもうひとつ。
床を眺め、妄想が終わるころには床の汚れやゴミにも気付くので、お客様にももれなく気持ち良く過ごして頂けるというメリットがついてきます。